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斎宮歴史博物館。平安女性が十二単で座った感じを出してあるそうで、なかなか優美な建築物です。悠久の旅を楽しめる映像展示室は大好評です。
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史跡の中心は、平安時代に確立した東西2キロ、南北1.2キロの方格地割(ほうかくちわり)と呼ばれる碁盤目の区画。木の塀で整然とした仕切られた区画の中に建つ建物が整然と並び、塀の外には幅10mもあるまっすぐな道が碁盤目に行き交っていました。敷地の中では和歌が詠まれたり、貝合わせなどの平安貴族の遊びが行われていたといいます。
初めて聞く人にはなかなか信じていただけない、まるで京都御所かどこかの話のようにお思いになるかもしれませんが、昭和45年代に始まった発掘調査によって、かつては「幻の宮」として人々に伝承されてきた斎宮の全容が解明されつつあります。今日のわたしたちが平城京や平安京に寄せるのと同じ風景があったと想定できるのです。
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斎宮(さいくう)。そこは、飛鳥、奈良、平安から南北朝時代にかけてのおよそ600年間、天皇に代わって伊勢神宮の祭祀を行うため、遣わされた皇女・斎王が60余代にわたって暮らした宮殿のあったところ。あたり一面の花、木々で彩られたのどかな風景、そして街や小学校。これらは、見渡す限りの遺跡の上にある現代の風景なのです。ここにはかつて斎王の御所をはじめ、斎王に仕えた女官や官吏数百人が暮らしていた。あるじ斎王と、「伊勢物語」の主役・在原業平の一夜の恋も交わされた場所です。想像しただけで心はもう雅の世界へと旅をしてしまいそうです。 |